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記
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小説
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人のお話
> あかちゃん。
時折めいっぱい感謝したくなるの。
本当だよ。
ある日、とある無性の生き物がふわふわと飛んでいたら
境目の門に、赤ちゃんが捨てられていました。
赤ちゃんは牙が生えているかわいいちっちゃなお口で
ふあんふあんと泣いていました。
生物が赤ちゃんのおくるみを探ると、黄色い紙に乱れた文字で
「拾ってください。名前はちいたんです」と書かれていました。
幸いなことに生物はとてもやさしい生物だったので
ちょっとだけ考えた後にすぐにこの赤ちゃんを自分のものにすることに決めました。
そしてあれから10年が経ちました。
「はっぴばーすでぃ、ちぃたん」
「はっぴばーすでぃ、10歳おめでとう」
ぱーんぱーんとクラッカーがなる。
ちいたんはうっとりと色めくリボンにみとれ、
目の前のバースディーケーキにみとれた。
それはとても美味しそうだった。
「みんなみんなありがと、ちいたんはうれしいです」
ちいたんはにっこりと笑った。
「嬉しい?良かった」
「あのね、あのね、ちいたん、
ちいたんのためにプレゼントを用意したんだよ」
「あーん、ずるいよぅ、ぼくが先に渡すんだァ」
「みんな同じ物を渡すんだから、
誰が先か、とかはないでしょ」
「じゃあいっせいのせで渡そうよ」
「そうしょー、そうしょー」
「いっせいのせ」
はいっと差し出されたものは小さな小さなカタヨクだった。
みんなの翼の羽を集めて作った羽だった。
「うわぁ、ありがとう」
ちいたんは嬉しくって涙が出てきた。
「つけてみていい?」
「もちろん」
みんなは勢い込んでうなづいた。
だってちいたんが羽をつけるところをみんな見たいと思っていたから。
ちいたんはもじもじしながら羽をちょん、と背中につけた。
その背中に元から生えていた二枚の翼を毟って、
机にちょん、と置いた。
真っ白いちいたんのカタヨクは
紫色のちいたんの肌に良く似合った。
ちいたんはこんなに幸せだったことは今までにないと思った。
幸せ過ぎて頭がふやんふやんした。
「ちいたん、かわいい」
「きれいよきれいよ」
天使達が口口にささやく。
ちいたんは10歳になってやっと半分天使になった。
飛べなかったけどちいたんは幸せだった。
さぁケーキを切り分けましょう、とお父さんが言った。
捨て子魔物のちいたん。
ちいたんは今も天使になる日を夢見てる。
もくじ ...
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本当だよ。
ある日、とある無性の生き物がふわふわと飛んでいたら
境目の門に、赤ちゃんが捨てられていました。
赤ちゃんは牙が生えているかわいいちっちゃなお口で
ふあんふあんと泣いていました。
生物が赤ちゃんのおくるみを探ると、黄色い紙に乱れた文字で
「拾ってください。名前はちいたんです」と書かれていました。
幸いなことに生物はとてもやさしい生物だったので
ちょっとだけ考えた後にすぐにこの赤ちゃんを自分のものにすることに決めました。
そしてあれから10年が経ちました。
「はっぴばーすでぃ、ちぃたん」
「はっぴばーすでぃ、10歳おめでとう」
ぱーんぱーんとクラッカーがなる。
ちいたんはうっとりと色めくリボンにみとれ、
目の前のバースディーケーキにみとれた。
それはとても美味しそうだった。
「みんなみんなありがと、ちいたんはうれしいです」
ちいたんはにっこりと笑った。
「嬉しい?良かった」
「あのね、あのね、ちいたん、
ちいたんのためにプレゼントを用意したんだよ」
「あーん、ずるいよぅ、ぼくが先に渡すんだァ」
「みんな同じ物を渡すんだから、
誰が先か、とかはないでしょ」
「じゃあいっせいのせで渡そうよ」
「そうしょー、そうしょー」
「いっせいのせ」
はいっと差し出されたものは小さな小さなカタヨクだった。
みんなの翼の羽を集めて作った羽だった。
「うわぁ、ありがとう」
ちいたんは嬉しくって涙が出てきた。
「つけてみていい?」
「もちろん」
みんなは勢い込んでうなづいた。
だってちいたんが羽をつけるところをみんな見たいと思っていたから。
ちいたんはもじもじしながら羽をちょん、と背中につけた。
その背中に元から生えていた二枚の翼を毟って、
机にちょん、と置いた。
真っ白いちいたんのカタヨクは
紫色のちいたんの肌に良く似合った。
ちいたんはこんなに幸せだったことは今までにないと思った。
幸せ過ぎて頭がふやんふやんした。
「ちいたん、かわいい」
「きれいよきれいよ」
天使達が口口にささやく。
ちいたんは10歳になってやっと半分天使になった。
飛べなかったけどちいたんは幸せだった。
さぁケーキを切り分けましょう、とお父さんが言った。
捨て子魔物のちいたん。
ちいたんは今も天使になる日を夢見てる。